第二十一回原阿佐緒賞受賞作品
宮城県大和町宮床出身の女流歌人「原阿佐緒」にちなみ創設された『原阿佐緒賞』が、今回で第二十一回目を迎えました。
全国の皆さんから、一般の部343名から668首、青少年の部2,484名から4,138首の応募があり、選考の結果、次の作品が選ばれました。
選者は 小池 光 氏、秋山 佐和子 氏、皆川 二郎 氏です。
第二十一回原阿佐緒賞受賞作品
賞 | 歌 | お住まい | 氏名 |
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原阿佐緒賞 | 泡立てて包めばわづかな母の髪わが子のやうに洗ひてやりぬ | 山形県米沢市 | 池村 真理 |
優秀賞 | うす墨で書かるる甲骨文字は「雨」しづくひびきてわれを濡らすも | 宮城県仙台市 | 菅 八重子 |
若きらの復興音頭の輪の中に老いを忘れて皺の手かざす | 宮城県石巻市 | 今野 惠美子 | |
人差し指の指紋うすれし母なりき和裁の業にわれらをささへ | 京都府舞鶴市 | 鯵本 ミツ子 | |
東京は寒しとかこつひとのふみ寒緋桜の花かげに読む | 沖縄県沖縄市 | 与儀 典子 | |
軒に吊る干し柿の黒きシルエット障子に映し満月のぼる | 宮城県仙台市 | 中嶋 良子 |
賞 | 歌 | 学校 | 学年 | 氏名 |
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優秀賞 | 友達が休んだ席がぽっかりと空いてそのまま夕焼けになる | 仙台白百合学園高等学校 | 3 | 佐瀬 文菜 |
奨励賞 | ひっそりと他を引き立てるかすみ草私もそんな人になりたい | 宮城県古川工業高等学校 | 1 | 嶋 七海 |
一滴のしずく落ちゆく水たまり小さな波もんが意志を問いくる | 三沢市立堀口中学校(青森県) | 1 | 田村 凜 | |
帰り道たそがれどきのグラデーションそれはまるでモネの油彩画 | 宮城県古川工業高等学校 | 2 | 伊藤 わかな | |
おばあちゃん孫の名前をみんな呼び最後に出てくる私の名前 | ノートルダム清心中学校(広島県) | 1 | 福長 遥 | |
年賀状届くのまだかと待ち侘びて風の音にさえ耳を澄ませる | ノートルダム清心中学校(広島県) | 2 | 打田 優衣 | |
凍りつく梅の小枝にシジュウカラ二羽の姿に心も躍る | ノートルダム清心中学校(広島県) | 2 | 荒谷 真琴 | |
金銀の絵の具を縦に伸ばしては夕陽を揺らす松島の海 | 仙台白百合学園高等学校 | 3 | 菊地 洸美 | |
石ころを家までけっとばしながら未来のことを考えている | 仙台市立郡山中学校 | 2 | 佐藤 楓花 | |
七ツ森数えてみると六ツ森裏にかくれる一ツ森かな | 宮城県黒川高等学校 | 3 | 鈴木 翔 | |
特別賞 | ごめんねと言えない間に桜散り赤信号が長く感じる | 静岡市立清水第二中学校(静岡県) | 1 | 大竹 布実乃 |
線香の香りで心落ちついて今亡き人の思い出かたる | 宮城県黒川高等学校 | 1 | 藤山 瞳 | |
儚げに線香花火が散りゆくとかすかに感じる秋の訪れ | 大和町立宮床中学校 | 2 | 梨本 双葉 | |
南国のあの子に教えてあげたいな薄氷を割る朝の楽しみ | 宮城県古川高等学校 | 2 | 高橋 梨咲 | |
夏空に響く太鼓と声援と飛んだ打球に思いをこめる | 宮城県黒川高等学校 | 1 | 佐々木 勇人 |
※学年は応募締切時令和2年1月現在のものです。