第二十五回原阿佐緒賞受賞作品

更新日:2024年06月03日

原阿佐緒賞受賞作品一覧のページです。

本ページでは、最新回は全受賞作品、過去回は一般の部「原阿佐緒賞」受賞作品をご紹介します。

「第二十五回原阿佐緒賞」全受賞作品

宮城県大和町宮床出身の女流歌人「原阿佐緒」にちなみ創設された「原阿佐緒賞」が、今回で第二十五回目を迎えました。
全国の皆さんから、一般の部454名から883首、青少年の部3,015名から4,692首の応募があり、選考の結果、次の作品が選ばれました。
選者は 小池 光 氏、秋山 佐和子 氏、皆川 二郎 氏です。

一般の部

一般の部受賞者概要

お住まい

氏名

原阿佐緒賞

半壊の蔵よりすくふ奥能登のもろみを絞る陸奥の蔵人

群馬県高崎市

遠藤 幸子

優秀賞

ひと夜明け初春二度目の日輪が照らす輪島の色なき朝

千葉県四街道市

川端 千津子

豹柄のパンプス履いた乙女子が漢字検定終える夕暮れ 宮城県仙台市

浅野 賢治

幼稚園のプールの真中に保育士は太陽の塔のやうに立ちをり

宮城県多賀城市

渋谷 史恵

みちのくの春は名のみの七ッ森さくら前線指折りかぞふ

宮城県大和町

大場 紀代子

この坂を阿佐緒と純の歩みしか屋根のそびらに保田の海照る

千葉県館山市

粕谷 征三

青少年の部

青少年の部受賞者概要

学校

学年 氏名
優秀賞 小池 光 選

図書館の光差しこむその席で赤毛のアンと友だちになる

星野高等学校(埼玉県)

2

倉持 美香

秋山 佐和子 選

夕闇に呑み込まれてゆく空の青光り始める秋の星たち

宮城県泉高等学校 1

平田 結士

皆川 二郎 選

風吹きて唸る木の葉の紅葉色夕日の映ゆる帰路を駆け行く

宮城県泉高等学校 1

山口 翔夢

奨励賞 小池 光 選

お守りに宿る魂道真公どうか力を貸してください

川辺町立川辺中学校(岐阜県) 3

小田垣 理子

みかんむき手が黄色いと笑う母この団らんを守っていきたい

宮城県名取高等学校

3

佐藤 苺愛

ただ一人溶ける氷を眺めては母の帰りを待っていた午後

宮城県古川黎明高等学校

1

村山 千夏

もつたびに重くなっていく体重におどろかされる犬の成長

市川市立第二中学校(千葉県)

2

長井 彩桜

一年をこの日のために頑張ったあっという間の三泊四日

宮城県古川工業高等学校

2

兵藤 世津

秋山 佐和子 選 朝早くストーブつけてわくわくときのうの続きの小説を読む

三沢市立堀口中学校(青森県)

1

織笠 有愛

寒空に静かにまい散る粉雪は積もらずにただ静かに消える

大和町立宮床中学校

2

盛 沙和花

飛行機の窓から眺めるその景色何度も思う世界は広い

宮城県名取高等学校

3

横山 芽

星の下歩幅合わせて進む夜重なる手の中温まる思い

仙台白百合学園高等学校 2

石橋 菜花

会いたいと思う気持ちが叶ったよ伝えたかったことは言えなかったけど

宮城県古川工業高等学校

2

只野 そら

皆川 二郎 選

走り出す風を感じてペダル踏む足をくすぐる深緑の草

宮城県泉高等学校 1

秋元 ひなた

不慣れな手スマホ片手に祖母が呼ぶ東京行くなと寂しそうな目

宮城県名取高等学校 3

内藤 愛里

七ツ森衣を替えて雪化粧いつもと違ういつもの景色

大和町立宮床中学校

2

佐藤 蓮

あと何度この制服を着るのだろう青春脱いでスーツ着るまで

宮城県古川工業高等学校

3

佐々木 琴稔

家族との最後の思い出初詣寂しさ抱き境内回る

宮城県古川工業高等学校

3

白鳥 優斗

※学年は応募締切時令和6年1月現在のものです。

過去の受賞作品(一般の部「原阿佐緒賞」のみ)

過去の受賞作品(一般の部「原阿佐緒賞」のみ)一覧

お住まい 氏名
第二十四回 七ツ森といへるやまなみ見えていた父のさいごをみとりし窓に 宮城県 加藤 祐子

第二十三回

秋天に陽だまりのような干し柿よ亡母(はは)のさみしさ今ならわかる

宮城県 安部 律

第二十二回

生れたる牛は牛舎によろけ立ちわが指を吸う舌あたたかし 群馬県 川野 忠夫
第二十一回

泡立てて包めばわづかな母の髪わが子のやうに洗ひてやりぬ

山形県 池村 真理
第二十回

青びかる寒風浴びし干しサンマ荷ほどきすれば汐の匂ひす

宮城県

富澤 秀子
第十九回

明かり消し闇となりたる部屋ぬちに檜の柱ほのかに香る

宮城県 中嶋 良子
第十八回

墨の香に我は旅するいにしえの欧陽詢の書の美しき

宮城県 佐藤 ゆみ子
第十七回

鍬やめて鋤ぐわ買はむ「全壊」の庭の茅の白根掘るため

宮城県 高橋 義仁
第十六回

朝の日に等身大のわが影の映る豚舎のカーテンを上ぐ

福島県 島 悦子
第十五回

大波に果てし人らのたましひの薄日と遊ぶすすき穂の先

宮城県 北辺 史郎
第十四回

つばくろのひなのごとくに我が母は我れのスプーンに口を開けをり

宮城県 尾形 八重子
第十三回

ちぎりし如防潮堤の津波の跡曝れたるままに又雪が来る

宮城県 佐藤 三代
第十二回

亡き夫のパジャマで編みし布草履素足に履きてシーツ干しをり

千葉県 旭 千代
第十一回

死ぬほどの恋ひとつありと言いおればかなた天より哄笑聞こゆ

宮城県 高橋 美枝子
第十回

秘密基地のごとくに門扉開かれて集団下校の児ら出でてくる

宮城県 大和 昭彦
第九回

船形はわかき山らしドキドキと脈打つように清水湧き出ず

宮城県 畠山 みな子
第八回

母を抱き共に湯槽にひたりたり小さくなりし体ささえて

宮城県 木村 とみ子
第七回

二胡の音にかきみださるる思いあり弓にはげしく来る嫉妬心

宮城県 高橋 美枝子
第六回

テロのイラク津波のインド洋も渡り来し月かと思ふ晧晧と光る

宮城県 大宮 源一
第五回

卒寿すぎ逝きたる母の骨拾う苦労の欠けらに言葉かけつつ

宮城県 鈴木 蝶次
第四回

深き井戸の中のぞくがに見入りぬ病院ベットのわが初孫を

青森県 久米 新吉
第三回

車イスに座りしままの母なれど 「北国の春」に リズムとりたり

宮城県 戒野 ゆき子
第二回

麻痺の手に絵を描きゐし姉なりき遺作の紅バラ色褪せてきぬ

宮城県 大井 康江
第一回

障害の人らの仕上ぐる注連飾り清やかに藁の匂ひ立つなり

京都府 阪根 まさの

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