第二十六回原阿佐緒賞受賞作品

更新日:2025年05月27日

原阿佐緒賞受賞作品一覧のページです。

本ページでは、最新回は全受賞作品、過去回は一般の部「原阿佐緒賞」受賞作品をご紹介します。

「第二十六回原阿佐緒賞」全受賞作品

宮城県大和町宮床出身の女流歌人「原阿佐緒」にちなみ創設された「原阿佐緒賞」が、今回で第二十六回目を迎えました。
全国の皆さんから、一般の部418名から812首、青少年の部1,895名から2,905首の応募があり、選考の結果、次の作品が選ばれました。
選者は 小池 光 氏、秋山 佐和子 氏、皆川 二郎 氏です。

一般の部

一般の部受賞者概要

お住まい

氏名

原阿佐緒賞

伊豆沼の命どよめく暁に息のむ妻の肩を抱きぬ

宮城県仙台市

川合 進

優秀賞

被災者の微笑み悲しマスコミに問はれる度に顔に浮かべて

愛知県小牧市

中野 秀秋

カセットの授業の声のいきいきとはじめて知りぬ教壇の母 岩手県宮古市

岩泉 美佳子

田守りし父の遺骨は秋晴れの刈田を進む母に抱かれて

宮城県仙台市

加藤 優子

どことなく似た顔並ぶ父親の三十七回忌賑やかに過ぐ

宮城県仙台市

秋場 節子

ゆふぐれにひかりはじめる観覧車地球の上の小さな地球

宮城県多賀城市

渋谷 文恵

青少年の部

青少年の部受賞者概要

学校

学年 氏名
優秀賞 小池 光 選

祖母の手にハンドクリーム塗りながら七面鳥のようだと思う

宮城県気仙沼高等学校

2

佐藤 みちる

秋山 佐和子 選

元旦に七ヶ浜までチャリで行く四時間漕いで見た初日の出

宮城県黒川高等学校 1

天野 斗陽

皆川 二郎 選

波見つめ広がる海に心を映し輝く光にふと手をのばす

宮城県泉高等学校 2

藤田 梨暖

奨励賞 小池 光 選

道端のコンクリートの隙間には意志を貫く一輪の花

大和町立大和中学校 2

堀籠 悠愛

教室の窓から見える山脈が帽子をかぶる冬の訪れ

宮城県古川工業高等学校

1

平澤 碧人

テレサテン時の流れに身をまかせこの歌聴いて卒業します

宮城県古川工業高等学校

3

高橋 悠太

白き雪降り積む庭に音もなくひとり歩めば軌跡残れり

宮城県気仙沼高等学校

3

田沢 美月

大空と雪に包まれはっと知る我が身はなんと小さきものと

宮城県泉高等学校

2

亀田 知哉

秋山 佐和子 選 水筒の裏の汚れをゴシゴシ流すこびりついてる汚れとともに

大衡村立大衡中学校

2

大野 心麦

七ツ森自分の周り一晩で大きな空と白い景色だ

大和町立大和中学校

2

堀籠 武尊

月明かり照らす影にも話しかけひとり夜道を歩む我が声

宮城県塩釜高等学校

1

今野 智貴

ああ波よ私も砂で編み上げた入道雲に連れ去ってくれ

宮城県古川黎明高等学校 1

佐々木 漣揮

喧騒後一息ついた教室を差した夕日が優しくいたわる

宮城県宮城第一高等学校

1

佐藤 彩葉

皆川 二郎 選

落ち込む日悩む心で上向けば目に映りこむ虹色の橋

大和町立大和中学校 2

小林 夏緒

三年間残さず食べたお弁当もう終わりかと噛み締めて食う

宮城県古川工業高等学校 3

後藤 晃誠

青春の終わりを告げる初詣スーツ身に付け一歩踏み出す

宮城県古川工業高等学校

3

千葉 寿也

団体の優勝決まりふと見ればきらりと光る顧問の涙

大和町立宮床中学校

2

西條 尚史

会う度にしわが増えてく祖父の手と指切りをする長生きしてね

宮城県名取高等学校

3

井上 菜摘美

※学年は応募締切時令和7年1月現在のものです。

過去の受賞作品(一般の部「原阿佐緒賞」のみ)

過去の受賞作品(一般の部「原阿佐緒賞」のみ)一覧

お住まい 氏名
第二十五回 半壊の蔵よりすくふ奥能登のもろみを絞る陸奥の蔵人 群馬県 遠藤 幸子
第二十四回 七ツ森といへるやまなみ見えていた父のさいごをみとりし窓に 宮城県 加藤 祐子

第二十三回

秋天に陽だまりのような干し柿よ亡母(はは)のさみしさ今ならわかる

宮城県 安部 律

第二十二回

生れたる牛は牛舎によろけ立ちわが指を吸う舌あたたかし 群馬県 川野 忠夫
第二十一回

泡立てて包めばわづかな母の髪わが子のやうに洗ひてやりぬ

山形県 池村 真理
第二十回

青びかる寒風浴びし干しサンマ荷ほどきすれば汐の匂ひす

宮城県

富澤 秀子
第十九回

明かり消し闇となりたる部屋ぬちに檜の柱ほのかに香る

宮城県 中嶋 良子
第十八回

墨の香に我は旅するいにしえの欧陽詢の書の美しき

宮城県 佐藤 ゆみ子
第十七回

鍬やめて鋤ぐわ買はむ「全壊」の庭の茅の白根掘るため

宮城県 高橋 義仁
第十六回

朝の日に等身大のわが影の映る豚舎のカーテンを上ぐ

福島県 島 悦子
第十五回

大波に果てし人らのたましひの薄日と遊ぶすすき穂の先

宮城県 北辺 史郎
第十四回

つばくろのひなのごとくに我が母は我れのスプーンに口を開けをり

宮城県 尾形 八重子
第十三回

ちぎりし如防潮堤の津波の跡曝れたるままに又雪が来る

宮城県 佐藤 三代
第十二回

亡き夫のパジャマで編みし布草履素足に履きてシーツ干しをり

千葉県 旭 千代
第十一回

死ぬほどの恋ひとつありと言いおればかなた天より哄笑聞こゆ

宮城県 高橋 美枝子
第十回

秘密基地のごとくに門扉開かれて集団下校の児ら出でてくる

宮城県 大和 昭彦
第九回

船形はわかき山らしドキドキと脈打つように清水湧き出ず

宮城県 畠山 みな子
第八回

母を抱き共に湯槽にひたりたり小さくなりし体ささえて

宮城県 木村 とみ子
第七回

二胡の音にかきみださるる思いあり弓にはげしく来る嫉妬心

宮城県 高橋 美枝子
第六回

テロのイラク津波のインド洋も渡り来し月かと思ふ晧晧と光る

宮城県 大宮 源一
第五回

卒寿すぎ逝きたる母の骨拾う苦労の欠けらに言葉かけつつ

宮城県 鈴木 蝶次
第四回

深き井戸の中のぞくがに見入りぬ病院ベットのわが初孫を

青森県 久米 新吉
第三回

車イスに座りしままの母なれど 「北国の春」に リズムとりたり

宮城県 戒野 ゆき子
第二回

麻痺の手に絵を描きゐし姉なりき遺作の紅バラ色褪せてきぬ

宮城県 大井 康江
第一回

障害の人らの仕上ぐる注連飾り清やかに藁の匂ひ立つなり

京都府 阪根 まさの

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